左の建物は、ブータンで最も尊敬された外国人である西岡京治さんの御霊を弔うために、ブータン王国が立てたチョルテン(仏塔)です。 西岡さんは、「ブータン農業の父」と言われる方で、この方の農業振興策は、他に類を見ないほど確実にブータンに定着したと言われています。彼は、パロにある自分の畑の作物のできが良くて収穫量が多い理由を、パロの人々が聞きに来るまで教えなかったそうです。パロの人々が自分から、彼の畑のように作物を作りたいと思うようになってからは、彼の影響力は徐々に、しかし確実にブータン全土に広がり、今ではブータンの農業生産量は当時の約2倍になったそうです。1980年、彼は前国王から「国の恩人」として、民間人に贈られる最高の爵位・ダショーを授かり(唯一の外国人受爵)1992年にブータンで亡くなりました。チョルテンには、右の写真のように、ブータンの人々に対する、ひた向きな献身が讃えられています。パロの景色が何となく懐かしいのは、そこにある米がジャポニカ米だからかもしれません。